夏のヘッドフォン祭mini-2025-出展レポート
―「静かな熱気」に包まれた604号室のひととき―

7月5日、東京・丸の内。
明るい日差しが差し込むステーションコンファレンス東京に、今年もヘッドフォン祭miniの季節がやってきました。
IidaPianoは6Fの604号室を会場に、国内外の個性豊かなハイエンドイヤホン・ヘッドホンを揃え、静かに、しかし確かな熱気をはらんだ試聴空間をつくりました。
日差しに照らされた窓辺で、整然と並ぶディスプレイ。その奥には、心から音を愛する人たちが静かに耳を傾ける姿がありました。
視線を集めた「Soranik」の新たな挑戦

中でもひときわ注目を浴びていたのは、今回が日本初展示となるSoranikのMEMS-3S 2025。
白いマーブル柄のフェイスプレートと黒のケーブル。そのたたずまいはシンプルながら強い存在感を放っていました。
専用エナジャイザー「MEMS-AP1」を通した音は、どこまでもクリアでスピード感があり、思わず耳を澄ませてしまう透明な余韻を残します。

「小さな筐体の中に、全く新しい未来が詰まっているようだった」という感想が、今回いちばん印象的でした。

Soltanus Acoustics ― 静電型の衝撃

今回、急遽出展が決まったSoltanus Acoustics。
セルビアの小規模工房でハンドメイドされる静電型ヘッドホン「Euridiche L-SX」は、その見た目からして特別でした。
薄く張られたダイヤフラムから生まれる音は、あまりにも繊細で、まるで空気そのものが振動しているよう。
「静電型ってこんなに立体的に音が出るんですね」という声も多く、ブースの空気が一段引き締まる瞬間がありました。
準備の都合で告知が間に合わなかったにもかかわらず、試聴希望者が絶えず、想像以上の反響をいただけたのは嬉しい驚きです。
ハイエンドヘッドホンのための「静かな試聴室」

IidaPianoが大切にしているのは、ただ音を聴くのではなく、「環境を整えて聴く」という体験です。
今回のブースには、AurenderのトランスポートやヘッドホンパワーアンプDVAS Model2B、BricastiのDACなどリファレンス用途にも使えるハイエンド機材を持ち込みました。
一見すると派手さはないかもしれませんが、こうした機材で丁寧に鳴らすヘッドホンの音は、イベント会場の喧騒を忘れさせるほど澄んでいます。

「静かな個室で、この音に集中できるのは本当にありがたい」
そんな声をいくつもいただき、私たち自身も改めて視聴環境の大切さを感じました。
Heart Field、Ambient Acoustics…多彩な表情が交わる空間

会場の中央にはHeart Fieldの全ラインナップが並び、銀や黒、煌めく貝殻のようなシェルが光を反射していました。
AstellaやSilverSmithの緻密な音、CU8の瑞々しい解像感。
それぞれのモデルを聴き比べるひとときは、時間を忘れて没頭してしまう人が続出。
Heart FieldのCU8やSilverSmith、Ambient AcousticsのMADシリーズ、CAMERTONのBinom-ERなど、おなじみのモデルもじっくりと試聴していただきました。
それぞれのブランドが描く世界は異なり、同じ楽曲をかけても、質感も余韻も表情も変わります。
だからこそ、この空間にいる時間が「何を選ぶか」だけでなく「何を感じるか」を探す時間になるのだと思います。

メディア掲載情報
夏 のヘッドフォン祭mini 2025の会場レポートが各メディアにて公開されています。
Iida Pianoブースでの展示製品に加え、他ブースの注目モデルや会場全体の動向も網羅されており、当日ご来場いただけなかった方にも参考となる内容です。ぜひご覧ください。
AVウォッチ : https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/2028723.html
PHILE WEB : https://www.phileweb.com/news/d-av/202507/05/63036.html
StereoSoundオンライン: https://online.stereosound.co.jp/_ct/17776706
次の季節も、この静寂の中で

この日の604号室は、静かな熱狂に包まれた特別な一日でした。
もしまだ体験されていない方がいらっしゃれば、ぜひ次の機会に足を運んでいただきたいです。
心を傾けるだけで、何かが変わるような音との出会いが、きっとここにあります。
次のヘッドフォン祭でも私たちはまた新しい音を持ってお待ちしています。

Events
2025年7月17日
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