top of page

【コラム】「高いモノしか扱わないんですか?」という問いに、私たちはこう答えます。

  • 執筆者の写真: iidapiano
    iidapiano
  • 5月12日
  • 読了時間: 3分

先日、イベント会場でこんな声をいただきました。

「IidaPianoさんって、昔はDAP(デジタルオーディオプレーヤー)とか割と手頃な製品もあったけど、最近は高価格な製品ばかり扱ってますよね。方針が変わったんですか?」


そうした印象を持たれたことには理由があると思いますし、ご質問の意図もよくわかります。

けれど、私たちが大切にしている軸は、今も昔もまったく変わっていません。



■「良いと思うもの」「面白いと思うもの」しか扱わない

私たちが製品を選ぶとき、大切にしているのは次のようなことです。


  • そのブランドに“信念”があるかどうか

単なるスペック競争やマーケティングではなく、なぜその音を目指したのか、なぜその構造にしたのか。

そんな「思想のあるものづくり」が感じられる製品であること。

それが、私たちが最も重視している点です。


  • 製品としての“完成度”と“挑戦”が共存しているか

技術的な完成度が高いことは当然として、同時に、そのブランドや製品が既存の枠を一歩踏み出そうとしているかどうか。

守りだけの設計に留まらない、“やってみよう”の意志がある製品にこそ、時代を動かす力があります。


  • ユーザーの体験を深めるだけの力があるか

単に“音が良い”だけでなく、その音が心に残る体験をもたらすか。

ふと手に取ってしまう、ただそこにあるだけで嬉しい――そんな所有の喜び美しさまでも含めて、人の感性に響く製品であるかを大切にしています。

「聴く道具」であると同時に、「使いたくなる存在」であるかどうか。その力を持っている製品かを見ています。



■「高くした」のではなく、「選んだらそうだった」

確かに、現在私たちが扱っている製品には、50万円を超えるようなイヤホンや、100万円近いヘッドホン、またライフスタイルに特化した大型のレコードプレーヤーまで、高額な製品が多くあります。

でもこれは、「高級路線に転じた」わけではなく、結果として“今おもしろいと感じている製品”がいまはそうした価格帯のものに多かった― というのが、正直なところです。

裏を返せば、もし明日、心から「これは紹介すべきだ」と思える低価格の製品に出会ったなら、迷わず扱います。

むしろ「高いから」あるいは「安いから」敬遠することは、今までも、これからもありません。



■「価値ある体験」の媒介でありたい

私たちは、価格でも流行でもなく、「その製品にどんな意味があるか」を見ています。

そして、それを必要としている人にきちんと届けること。オーディオ製品は、単なるスペックや価格では語り尽くせない“体験”をもたらします。

その体験に意味があるか、そこに設計者やブランドの矜持が宿っているか——そこを大切にして選んでいるのが、私たちIidaPianoのやり方です。


今後もこのスタンスは変わりません。

そして、変えずにいられるような製品と、作り手と、そしてお客様と出会い続けていきたいと思っています。



bottom of page