【R5Gen2発売前コラム】A級アンプとは?


A級アンプとは?本当にメリットがあるのか?

HiByの新製品R5Gen2がリリースされ、「Class A amp mode」というコンセプトに注目が集まっていますので、今回はそれを解説してご紹介します。

近年、スマートフォン用のUSBドングルDAC/アンプの新モデルが後を絶たず、ユーザーから「デジタルオーディオプレーヤーとスマートフォンに刺すドングルは何が違うのか」と聞かれることがあります。もちろんドングルDAC/アンプはスマートフォンの便利アイテムですし、それ自体もDAPやポータブルアンプよりずっとコンパクトで携帯性もはるかに高いのですが、やはり音が物足りないのは製品自体の位置づけにも起因しています。限られたサイズのドングルDAC/アンプは、複雑なアナログ回路設計や大容量バッテリーはおろか、電解コンデンサーすら搭載できないため、BluetoothレシーバーとDAPの中間のような妥協した製品となっています。一方、フルサイズのデスクトップ用ヘッドフォンアンプは、電源に余裕があり、スペースも広く、放熱性も良いので、より良い音を出すことができますが、モバイルシーンのニーズには応えられません。これらのフルサイズ・アンプの多くは、各チャンネルに一対のA級増幅段を搭載していますが、これも消費電力が大きいため、ポータブル機器に搭載するには課題があります。

では、A級アンプとは何なのか? 何がそんなに特別なのか? まず「アンプ」という言葉から考えてみましょう。アンプはその名の通り、小さな信号を制御して電圧や電流を増幅することで、大きな信号を出力する回路です。一般的な増幅器には、真空管、トランジスタ、ICなどがありますが、これらは異なる手段で同じ目的を果たします。


では次にアンプ回路の動作に着目し、各クラスの特性を分類してみましょう。

入力信号が1周期360度の完全な正弦波であると仮定して、導通角(正弦波信号の通り道)によりアンプの種類を分類します。

A級アンプは導通角が360度で、つまり信号がすべて増幅回路を通過します。

B級アンプは導通角が180度で、上半分と下半分の信号をそれぞれアンプのプッシュ部とプル部に通過させます。

AB級アンプは導通角が180度以上200度未満で、プッシュ回路とプル回路の間に重なりが生じます。

C型アンプは、導通角が180度以下です。 このようなアンプは、プッシュ型とプル型を併用しても音声波形を完全にカバーできないため、オーディオ用としては使用できません。

クラスDなどについては、その性質が異なるため、説明を省略します。





つまり、A級アンプから出てくる信号はこのような感じです。


B級アンプではプッシュ部とプル部を合計して元の波形を再現※図①していますが、実際には、アンプ回路がON/OFFしている範囲ではリニアではなく、図②のようなクロスオーバーの歪みが発生します。




図①理想的な波形






図②実際の波形




AB級アンプは、両端の波形を半分よりやや多めに出力し、クロスオーバーの歪みを低減します。